カーブの投げ方

変化球の中でも最も歴史の古いのがカーブです。

そのため、種類も多岐にわたりますが、現在はスライダーのように横に曲がるカーブと、かつてはドロップとも言われたタテに落ちるカーブに大別されます。

ただ、両者を比較した場合、カーブの名を冠するのにふさわしいのは、やはり古典的なドロップでしょう。

大きな特徴は変化の軌道ではなく、腕の振りにあります。

ナックルを除くすべての変化球がストレートと同じであるのに対し、唯一腕の振りが異なります。

また、リリースも他の変化球は体の前(捕手寄り)で行いますが、カーブの場合は上に向かってボールを弾くイメージです。

トップでは手の甲が上を向きます。

もっとも、腕をしっかり振るという点では他と同様です。

打者からすると、一瞬上に向かってポンと上がってから、曲がって落ちてくるように見えるため、目線が上がってしまいタイミングを崩されます。

しかしながら、スピンをしっかりつけて投げる変化球のため、打たれるとよく飛ぶという側面も持ちます。

基本の握り

一番力の強い親指と中指でしっかりボールの中心を押さえ、人差し指は縫い目に掛けないで添える程度にします。

投げ方・リリース

体の使い方

①カーブはストレートを投げるときと同じようには投げられませんが、ストレートを投げるときと同じ時間をかけて腕を振らないといけないので、真っすぐ前に出すのではなく上に向かって腕を振ります。

②カーブは手先だけで曲げようとしても曲がりません。

腕の振り、手首の返し、指の弾きができて、初めて曲がります。

リリース

①手が頭の上あたりに来たとき、手首を返しながら中指を支点にして、指を鳴らす感覚でボールを弾きます(スピンをかける)。

②リリースの瞬間、人差し指と親指の間からボールが抜けていきます。

腕の振り

①テークバックで上に向いた手の甲をそのまま我慢して、手首を返さずに腕を捻ります。

こときの手首が曲がれば曲がるほど、カーブの変化が大きくなります(ストレートをはじめ、他の変化球はテークバックから手首を返して投げます)。

②小指が打者の方に向いたところで、ヒジを前に出しながら、リストを使ってボールに回転を与えます。

③ヒジから先はヨーヨーくぉ投げるイメージで手首を使ってボールをリリースします。

カーブを覚えるコツ

カーブはヒジを使って腕を大きく振る

私は、カーブが全然まがりませんでした。

いわゆる「ションベンカーブ」で、手首でひねろう、ひねろうとしていたからだと思います。

あと、今考えると、腕の遅かったように思います。

コツを掴んだのは、ヒジを使って腕を大きく振るようにしてからです。

カーブは一番むずかしい変化球

バッターがボールの変化で空振りすることは、まずありません。

つまり、曲がりについていけなくて空振りするのではなく、タイミングを外されて、ボールが来る前にスイングしているのです。

これなら、何十回振っても当たらないと思いますが、やはりタイミングを外すことが変化球の基本だと思います。

カーブは、どういう場面で有効か?

  • ストレートを待っている打者には効果的
  • 速い球のあとに投げてタイミングを外す
  • フォークボールなどで低めを意識されておき、肩口からのカーブでタイミングを外す
  • 他のボールとは大きく軌道が異なるので、残像を残したいときに有効

 

左投手のカーブ

ストレートとのスピードの差が大きいカーブは、打者のタイミングを狂わすという意味で非常に効果的なボールです。

最近はスライダー、フォークがもってはやされ、左右どちらも、昔に比べてカーブを武器にする投手は減っていますが、ストレートを早く見せる上でもカーブを有効に使うべきだと思います。

また、バッターの反応を見るために、ボールゾーンへカーブを投げることもあります。

速球の遅いカーブの見逃し方によって、どういうタイミングでボールをとらえようとしていかがわかるからです。

さて、このカーブですが、カーブといえば横に変化するもので、タテに変化するボールはドロップと呼んでいましたが、今はカーブと呼ばれるボール昔のドロップに近いです。

ストレートとの緩急の差によって打者のタイミングを狂わせると同時に、タテに変化させることによって、打者の目線をズラすというのが昨今のカーブです。

ただ、タテの変化といっても、ボールをひねって回転をつけるという投げ方のため、多少横にもスライドします。

つまり、左投手のカーブは、スライダーほどではないにしても、右打者にとっては身体に近いところから遠いところへ、逃げていくボールになるというわけです。

なので、フォークのように、真ん中に投げるというわけにはいきません。

左投手の場合、右打者に投げるときはヒザ元へ落とすというのが一般的です。

このコースに投げておけば、たとえタイミングを合わされたとしても大きなケガにはならないからです。

逆に、真ん中付近に入ると、とらえられる確率が高くなります。

特に、左投手でのスリークォーター気味に投げる投手やサイドスローの場合は、タテの変化が小さく、横の変化が大きくなるだけに、コースへの投げ分けに注意を払っているようです。